葬儀・告別式より通夜参列が多い

お通夜の参列マナー
通夜はもともと、近親者が集まって、故人と最後の食事をしたり、一晩中一緒に過ごしたり、故人の御霊を見守って過ごすものでしたが、現在では午後6時ごろから始まる1時間程度の儀式と通夜ぶるまいという形式が多くなっています。
一般的には、近親者や関係が深かった方は通夜と葬儀・告別式の両方に参列することになります。

友人・知人、会社関係等、一般の弔問客は、葬儀・告別式よりも通夜に参列することが多いようですが、これは日中よりは夕方に営まれる通夜のほうが都合がつきやすいという理由から。
もともと「告別式」は、別れを告げるをするために設けられた時間ですから、本来の意味からすればそちらに参列するべきなのでしょうが、現代は通夜への参列が多くなっているため、通夜が告別式化しています。

通夜ぶるまいは地域によってさまざま

お通夜の後は、「通夜ぶるまい」といわれる食事の席が設けられます。
古代より、死者とともに食事の席を設ける慣習が世界各地に見られるのですが、日本でも、死者を生きているものとして扱い、食事をふるまったり、歌ったり踊ったりしていた様子が「古事記」などから推測することができます。現代でも通夜ぶるまいの形式は地域によって異なり、飲食を提供するだけでなく、お茶を飲んで過ごしたり、食券を出す地域もあります。
通夜ぶるまいの席では大声で話したり、飲み過ぎないように注意すること、と言われていますが、あくまで一般論にすぎません。地域によって賑やかにお酒を酌み交わす通夜ぶるまいもあります。

記帳はわかりやすく楷書で書く

受付では、軽く目礼して記帳し香典を出します。香典は袱紗に包んで持参し、受付前で開いてお盆の上に置きます。
「このたびはご愁傷様です。」と語尾を消しながらあいまいに言うように、と指導されているケースもありますが、自然に言うか、もしくは目礼だけでも構いません。
お香典は、葬儀・告別式にも参列する場合は、通夜の時に渡すことが多いようです。
氏名の記帳は両方(両日)行います。
後で家族が整理しやすいように、わかりやすい字体で書きましょう。

当然のことですが、通夜に参列するときは、あらかじめ時間と場所を確認し、最寄り駅からのアクセスについても確認しておきましょう。不測の事態などにより多少遅れてしまっても、お通夜の場合はお参りだけはできることが多いですが、なるべく遅れないようにしたいものです。

開式前の遺族はあわただしい

開式前の遺族は親戚、参列者、僧侶の挨拶に加え、式の打合せ、供花の札の順番の決定など、あわただいい時間を過ごしています。
お付き合いの程度にもよりますが、遺族への挨拶はできるだけ手短にして、お悔みの言葉に加えて「お手伝いできることがあれば申しつけください。」と声をかける程度にしておきます。
着席を促されたら、遠慮せずに前から詰めて座りましょう。手荷物の扱いについては、式場によって異なりますので、スタッフの指示に従います。

故人の顔を見てお別れをしたいと思ったら

お通夜の参列マナー
故人と親しい間柄であれば、最後に会ってお別れをしたいと思うのは自然なことです。基本的には、「故人と会ってください」など、遺族からの誘いがない限り、自分から「会いたい」というのは控えたほうが良いかもしれません。
どうしても対面したい時は、勝手に棺の中を覗き込むようなことはせず、必ず遺族の許可を得ること。許可を得たら、故人に近づき、手をあわせ一礼します。
「安らかなお顔ですね。」など、遺族をいたわる言葉と「ありがとうございました。」というお礼の言葉を添えたいものです。

通夜では遺族の気持ちを受け止めましょう

  • 「食事をしていってください。」
  • 「故人の顔を見ていってください。」
  • 「お手伝いをお願いします。」

など遺族から頼まれた場合は、自分よりふさわしい人がいるのではと考えてしまう人もいますが、遠慮せずに遺族の意向を受け止めましょう。
遺族から火葬場への同行を求められることもあります。基本的に一般参列者は火葬場へは行かないケースが多いのですが、一緒に見送ってほしいという遺族の気持ちを受けて、できるだけ行くようにしましょう。
通夜だけでなく、葬送儀礼全般において、遺族の気持ちや考えに、一貫して応える姿勢が大切です。