寒い時期に葬儀に参列する際、防寒対策はどうしたら良いでしょうか。
いざという時に「どうだったっけ?」と迷う方も多いでしょう。

そんな時はネット検索で解決策を探しますが、適切なアドバイスをしているサイトが多いわけではありません。
マナーの一例をご紹介します。

寒い時期の女性の喪服マナーは? 厚地タイツやパンツスーツはNG? インナーにタートルネックは? 黒以外のコートは?

女性のタイツはどうしたらいい?

女性の悩みどころとして、まず「タイツの厚さ」があります。

※タイツやストッキングなどのレッグウェアに使用される糸の太さ(重さ)はデニールという単位で表示されます。糸が太くなると生地が厚くなり、数字が大きくなります。
数字が大きくなると防寒性が高くなります。冬場は100デニール以上が主流となります。

一部のマナー系サイトでは、「喪服の場合は30デニール以下でないといけない」と書いてあるため、限られた時間とはいえ、防寒という点においても戸惑いや疑問があるようです。

実際の現場では、真冬に薄手の30デニール以下のストッキングは少数です。
葬儀会場や自身の健康、体調などに合わせて、厚手のストッキングをチョイスしても大丈夫です。
また、昔と比べてデニール数が大きくても、薄手に見えるタイツも増えています。
実際は1200デニールあるのですが、ベージュの素材と組み合わせることで透け感があるようにみせ、機能性と見た目の両方を追求したタイツも登場しています。

パンツスーツはNG?

女性の喪服では、黒のドレス(ワンピース)が格上とされ、ツーピース(スカートスーツ)がその次とされます。パンツスーツはその下の略礼服に分類されるため、フォーマル度は下がります。

一般の参列者という立場であれば、パンツスーツは少なくとも遺族より格上になることはありませんので、失礼とまではいかないと考えられます。

ただし、遺族・親戚という、喪家側の立場ではパンツスーツは避けたほうが良いかもしれません。
以下の理由から言われています。

  1. 略式とみなされ参列者より格下の装いになってしまう可能性がある
  2. 「女性の喪服はスカートでなければならない」と考える人も少なからず一定数はいる

この②のような考えも、ダイバーシティ(多様性や個性を尊重する考え)が主流になるにつれ、女性だからスカートでなければならないという概念も薄れていくことと思います。
今ではプライベートもビジネスもすべてパンツスーツ、結婚式もパンツスタイルという女性も一定数いて、喪服だけスカートという形式にしっくりこないとった声も聞きます。

インナーにタートルネックは?

また、インナーにタートルネックはどうなのか?と迷うこともあります。
タートルネックはネック部分を折り返したり、首元でクシュクシュにして着用しますので、どうしてもカジュアル感が出てしまいます。

フィット性が高いハイネックのインナーや、モックネックというハイネックより少し短めの立ち襟タイプであれば、カジュアルな印象を軽減できますし、胸元が大きく開いた服を着用するより、配慮された着こなしになるはずです。防寒を考えた場合、生地もしっかりとした素材であれば取り入れやすいアイテムです。

黒以外のコートは?

場所柄、華やかなコートは避けたほうがいいですが、黒でなければいけないわけではなく、濃紺、グレー系、茶系で奇抜な柄でなければ許容範囲内です。

形や素材については、「ダウンコートやダッフルコート、フード付きはカジュアルになってしまうのでダメ」と見聞きしますが、もちろん現場ではダウンもダッフルもよく見かけます。

避けたほうが良いのは毛皮のコートで、殺生を彷彿させるからとか、ゴージャスな印象になってしまうという理由からです。

春先になると、ベージュ系のトレンチコートも散見され、場所によっては浮いてしまうこともありますが、式場の外で脱いでおけば無難です。

時代の変化と弔い本来の意味を理解することが大切
高度経済成長期くらいまでは、女性の喪主の服装といえば和装のイメージでしたが、今現在はほとんど洋装になっているように、服装のマナーも変化し続けています。

また、価値観や習慣が異なる人々が集まる場所では、基本的なモラルを理解し、相手を思いやり尊重する心を形として表現することが大切です。

さらに、「なぜそうするのか」という本来の意味や自分の置かれている立場などを考えながら、弔いの場所にふさわしい装いやふるまい心掛けることが何より大切です。

葬送儀礼マナー検定は、受験を通して、葬送儀礼が多様化している中で、専門知識だけでなく「なぜそのようにふるまうのか」といった本来の意味を理解し、そうした考え方や習慣を体系的に身につけられます。

葬送儀礼マナー検定をぜひご活用ください。

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