政府は「人生100年時代構想」を掲げ、経済社会システムの大改革を打ち出し、「人づくり革命 基本構想」が示されています。
高齢者から若者まで、すべての国民に活躍の場があり、すべての人が元気に活躍し続けられる社会、安心して暮らすことのできる社会をつくるためには、「人」が核であり人材への投資が必要不可欠というもの。
AI(人工知能)の進化の中で、私たちは改めて知性・品性・感性など大切なものに気づくものです。

団塊世代 終活
現在、100歳以上の高齢者人口は約7万人(2018年)。
1998年に1万人を突破してからわずか20年の間に劇的に増加していますので、大病しなければ、「人生100年」も現実味を帯びてきます。
ある海外の研究では、2007年に日本で生まれた子供の半数は107歳より長く生きると推計されているとか。

人生100年を見据えた今、たとえば、こんな未来は、考えられませんか?

がん根治の時代がくる?

半数くらいが100歳まで生きると推計されているということは、ある程度はがんを征圧しているということが前提になっていると思います。
2018年には京都大学特別教授の本庶佑氏ががん免疫療法の発展に貢献したとしてノーベル医学生理学賞をとったことで話題になりました。

「がんは根治する」そんな時代がさほど遠くない未来にやってくるかもしれません。
そうなると、「がん検診」や「がん保険」もなくなってくるかもしれませんね。

認知症の「根本治療薬」が開発される?

日本では現在認知症の人は500万人程度いるといわれています。
2025年には700慢人に増えると予想されていますが、日本だけでなく認知症の人は世界中で増えています。
現在日本では、エーザイの「アリセプト」をはじめとして4種の抗認知症薬が許可されていますが、いずれも進行を遅らせるのが目的であって根治薬ではありません。
しかし、認知症の発症メカニズムは解明しつつあり、各製薬会社が新薬開発に取り組んでいますので、数年後には根本治療薬の開発が現実になるかもしれません。

終わりを意識することでより「生」が輝く「終活」

人間の寿命についてはこんな考え方もあります。
もともと人間が生きる期間の設定は、心臓の鼓動回数がプログラミングされていて、その回数から計算すると最長で120年ということらしく、120年の寿命から、喫煙でマイナス10年、飲酒でマイナス5年、ストレスでマイナス7年、不規則な生活でマイナス5年といった逆算方式でその人の寿命が決まるとか。
マイナス要因が全くない人が120歳の最長年齢まで生きることができるということらしいです。

長生きは大歓迎、と言いたいところですが、残念ながらすべての高齢者が社会保障を使っても、本当の意味で「健康で文化的な最低限の生活」を送っているかというと疑問です。
いつまでも元気で若々しく、趣味を楽しみ、人生を謳歌できるのが理想ですが、何年も寝たきりだったり、その人らしい日常生活を送れない人も多々います。
さらに人生の最終段階の希望については、このような声をよく耳にします。

「誰にも迷惑をかけずに逝きたい」
「苦しまずにピンピンコロリが理想」

自分にとって理想的な人生のエンディングを迎えることが難しい時代になりました。

「人生100年」といっても、「まだピンとこない」という人もいるでしょう。
また、がんや認知症についても「自分だけは大丈夫」「自分は関係ない」と思っている人は案外多いものです。
老後を意識したり、終末期をじっくり考えるきっかけとして、エンディングノート等を活用するのもひとつの方法です。
2009年に終活という言葉が世にでてちょうど10年になりました。葬儀やお墓のことを考えたり、遺言を考えることだけが終活ではありません。終わりのことを少し意識するだけでも終活になります。
「終え方」を考えると、どのように「生きたい」が見えてくることがあります。

—————-
葬送儀礼マナー普及協会では、終活セミナー講師派遣をしています。
お気軽にお問合せください。