ジャニーズ事務所の創始者であるジャニー喜多川氏が亡くなり、「家族葬」が行われたことはすでにご承知のとおり。
参列者は近しい人のみで、とりわけジャニーズ事務所のタレントさんが一同に揃い、祭壇脇にかつての所属タレントの芳名板がズラリ並んだことで話題になりました。
祭壇脇にはかつての所属タレントの芳名版もズラリと並び、年代を超えて往年のファンがその様子をさまざまな思いで目にしたことでしょう。

そもそも家族葬って何?

家族葬、直葬・火葬式
「家族葬」という言葉が使われだしたのは20年ほど前のこと。
某葬儀社が規模の小さいお葬式を「家族葬」という言葉におきかえて、パンフレットやチラシにうたったのが最初と言われています。
温かみのある言葉のイメージから、「家族葬」は急速に広まり、ここ数年では葬儀規模の縮小化の流れもあって、「家族葬にしたい」という要望が多くなっています。

「家族葬」といっても明確な定義はなく、家族や親戚を中心に、比較的小規模のお葬式のことを言い、それに対して一般的に広く告知するお葬式のことは「一般葬」と言われています。

ジャニーさんの家族葬は、家族葬といえるのか?

家族葬といえば、少人数でこぢんまりと行うお葬式をイメージする人が多いと思いますが、人によって解釈が異なります。
家族3~4名をイメージする人もいれば、親戚を含めて10名程度、友人・知人まで声をかけて30名程度の規模をイメージする人などさまざまです。
実際に100名以上の参列者が集まる家族葬もありますので、今回のジャニーさんの葬儀を「家族葬」と言っても、現場に携わるスタッフの間ではまったく不自然ではありません。

ただ一般的には、家族葬でも「最期にお別れしたい」「一目会いたい」とわざわざ弔問に訪れた人は受け入れる傾向があります。
今回行われたジャニーさんの家族葬は、現役の所属タレント中心だと報道されていましたので、スタッフやプライベートな付き合いのある友人が家族葬に加われなかったのは少し残念です。
ただ、影響力のある人でしたから、そのあたりの事情は、一般に当てはめることができないのかもしれません。

家族葬、直葬・火葬式など、葬儀の小型化が進んでいる

株式会社鎌倉新書の「第3回お葬式に関する全国調査」では、
お葬式の種類として1番多いのは「一般葬」で53%、「家族葬」は38%と+6.6pt前回よりも増加とのこと。
また、東京都では、「直葬・火葬式」9%、「一日葬」6%、「家族葬」42%、「一般葬」43%となり、東京都の「直葬・火葬式」「家族葬」は全国平均を上回り、小規模スタイルが増えている傾向にあります。

ここでいう「一日葬」とは一日で儀式と火葬を済ませてしまうお葬式のこと。
「直葬」とは、儀式を行わず火葬のみで済ませる葬儀スタイルのことをいいます。

これからは「家族葬」と「直葬・火葬式」が増加すると言われています。
時代とともに、葬送儀礼が変化していくのは当然の流れではありますが、単に「安いから」「面倒だから」といった理由で簡素化するのはあまりおすすめできません。

時代とともに、葬送の形は変化します。
人の死は尊く、私たちはその死の意味を次世代へ伝えていく責任があります。
時代に応じた弔い方を模索しながら、葬送文化を伝えていくことが大切だと考えています。


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