こんにちは。理事のキッカワです。
コロナ禍で、皆様どのようにお過ごしでしょうか。
私は葬送・供養関係のほかに、介護・福祉の現場にも携わっていますので、2月以降、特に3月以降は緊張を強いられる日々を過ごしています。
コロナ禍でのホスピタリティ産業の行方
私は長いこと、駿台トラベル&ホテル専門学校の葬祭ビジネス学科で、葬儀やお墓など葬送・供養関連の教育事業を行う学科の運営や授業を担当していました。
しかし葬儀やお墓の仕事に携わる前は、旅行会社やリゾート系の会社で働き、世界各地を旅していました。
また、「じゃらん」「地球の歩き方」等、旅行雑誌やガイドブックのライターとしても活動していたときがあったので、この専門学校にかかわることになった時には不思議なご縁を感じたものです。
かつてはよく「なぜトラベルやホテルの専門学校で葬祭教育が行われるようになったか?」と聞かれたものでした。そのキーワードが「ホスピタリティ」です。
ホスピタリティ産業とは付加価値を提供し、その付加価値を「売り物」としているビジネスのこと。
ホスピタリティ産業の領域は、ホテル、旅行、エアライン、フードサービス等多岐にわたりますが、葬儀業界も1968年に全日本葬祭業共同組合連合会(全葬蓮)が「葬祭サービス業」を標榜するようになって以来、ホスピタリティ産業としての自覚を強めています。
さて、そんな旅行・ホテル業界が、今まさにコロナ禍でかつてない大苦境に立たされています。
結婚式や宴会もキャンセルになり、しかも今後の見通しも立ちません。
私の地元では、オリンピック景気を見据えて、ここ数年ホテル建設ラッシュが続きました。
駿台トラベル&ホテル専門学校でも、2020年4月、多くの学生が夢を抱いて入学する予定でしたが、学びの場を提供できないだけでなく、先行き不透明な業界となってしまい、皆一様に不安を抱えていることでしょう。出口の見えない暗闇は、いつまで続くのでしょうか。
葬儀・供養業界の教育の場がひとつ消えた
葬祭ビジネス学科の話に戻しますと、学科ができたのが2001年、それから19年間多くの卒業生を輩出していきましたが、教育事業において専門学校の役割が変化し、存続が難しくなったことから2020年3月をもって学科の停止が決まりました。
超高齢社会の中で、葬祭ビジネス学科に対する期待は大きく、業界全体にとっても大きな損失ではありますが、この間に「終活」という言葉が誕生し、「エンディングノート」が注目されるなど、終活・エンディング産業として葬送・供養分野が位置づけられるようになり、葬祭教育そのものも、内容等変化するタイミングに差し掛かったのだと感じています。
コロナ禍で葬儀・供養はどう変わるか
葬儀業界でも、新型コロナの波はさまざまなところで影響を受けています。「コロナ死」ともいわれる感染者のご遺体については、処置方法について、火葬についてメディアで大きく取り上げられています。
葬儀の形はこれまでも小型化が進んでいましたが、さらに拍車をかけ、返礼品などのギフト業者や料理業者がまず真っ先に打撃を受けました。外装業者、葬儀専門の人材派遣会社等も大きく影響を受けています。
これまで、IT化は苦手と言われていた業界ではありますが、オンライン見積もり、オンライン葬儀等、IT環境を整備する会社も出てきました。葬儀の形が時代とともに変化していくのは当然のこと。死と向き合い、どのように対峙していくべきなのか、コロナ禍で改めて問われているような気がします。
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