葬送儀礼マナー検定は、冠婚葬祭マナーやビジネスマナーの中でも、「葬儀・お墓・法要・納骨」等、弔事に特化したマナー検定として誕生しました。

葬送儀礼マナーに全国共通ルールはありません。人類が弔いの作業をはじめてから、世界中それぞれの地域で、信仰・宗教、慣習等が融合しながら独自の葬送文化が育まれています。

そのため当初、検定・資格としてカタチにするのにはためらいがありました。
検定内容が誤解され「こうしなければならない」と決めつけられてしいまうのではないという危惧もありました。

しかし昨今、ブログやSNS等で誰もが情報を発信できる世の中になり、葬儀参列マナー、喪服のマナー、お墓参りのマナーなど、さまざまな情報が飛び交っています。
広く知られている有名な検定でも、葬儀や仏事に関してはおかしな問題が多く、これが正しいと思われてしまうのはどうかな、とスッキリしない思いがずっとありました。

例えば、次のような問題です。

【検定A】
葬式とは、「葬儀式」と「告別式」からなり、葬儀式は宗教的な儀式で、仏式なら僧侶の読経、キリスト教なら神父や牧師のミサが行われる。〇か✖か。

<検定A(テキスト)の答え> 〇 

→正しくは✖。

ミサはカトリックで行われる儀式のことでプロテスタントにミサはありません。
しかも牧師はプロテスタントの教職者を指し、神父はカトリックの聖職者に対する尊称。

【検定B】
秘書A子は上司の代理で取引先の葬儀(仏式)に参列した。急ぎの仕事があったので、焼香を済ませた後は出棺を待たずに会社へ戻った。〇か✖か。

<検定B(テキスト)の答え> 〇 

<検定B(テキスト)の解説>一番の目的は上司からの香典を届け、芳名録に名前を残すことなので、特に上司からの指示がないかぎり出棺まで待つ必要はありません。

→急ぎの仕事があって、帰らざるを得ない状況だったら仕方ないと思いますので答えは〇でOK。
この問題で一番間違っているのは、「一番の目的は上司からの香典を届け、芳名録に名前を残すこと」と解説で言い切ってしまっているところ。

お金を届けて証拠を残せばOKと断言してしまっているのは本当に残念です。

近年は「香典不要」「僧侶不在」の葬儀も増え、「喪中見舞い」「墓じまい」等の造語もあり、葬送儀礼もは多様化しています。
冠婚葬祭マナーとひとくくりにされるのではなく、葬祭に特化したマナーの普及の必要性を感じ、体系的に学ぶ場としてWEB検定を実施する運びになりました。

葬送儀礼マナー検定では、「なぜそのようにふるまうのか」という根拠を大切にしています。

「葬送儀礼マナー検定テキスト」はそこに現代の葬送事情に沿った形でのご提案も加味した内容となっています。

葬送儀礼文化を検定という形で多くの方に知っていただき、次世代へつないでいけたら幸いです。