宗教法人が経営している寺院墓地、宗教法人を経営母体とする事業型の民間墓地(一部公益法人経営もある)に対して、地方自治体が中心となって管理している霊園の事を公営霊園と呼びます。
都営霊園・公営霊園とは?
明治7年6月、明治政府は東京都心部で勝手に埋葬することを禁じる代わりとして、青山神葬祭地など9ヶ所を市民のための公共墓地として指定し、これを起源としています。
その後、明治から大正にかけて、多摩・八柱をはじめとした郊外にも墓地が新設する事になりました。その後も、昭和23年には小平霊園が、そして昭和46年には八王子霊園が新設し、現在都立霊園は以下が稼働しています。
① 青山霊園:港区南青山
② 雑司ケ谷霊園:豊島区池袋
③ 谷中霊園:台東区谷中
④ 染井霊園:豊島区駒込
⑤ 多磨霊園:府中市
⑥ 八王子霊園:八王子市
⑦ 小平霊園:東村山市
⑧ 八柱霊園:千葉県松戸市
都営霊園・公営霊園のメリットは?
- 都立霊園の管理費は、民間の霊園の管理費にくらべると安いのが大きな特徴です。
- 東京都が運営しているため、将来的に倒産して霊園が放置される。
- 宗教や宗派に制限はありませんので、どんな宗教の人でも安心して申し込むことができます。
- 墓石設置工事の石材店は自由に選ぶことができます。
都営霊園・公営霊園のデメリットは?
- 募集は年に1度のみ、毎年すべての霊園で募集が行われるわけではありません。
- 人気ゆえに毎年の応募倍率はとても高いです(青山霊園は10倍以上)。
- あらかじめ区画の希望を出すことはできませんので、当選した区画を使用することになります。
周囲の墓所環境、方角、隣や裏の区画の状態をあらかじめ確認して申し込むことはできません。
新規に造成された区画ではないので、過去にどのような区画であったのかわかりません。
入り口近くの区画を希望していても、奥の区画が当選すれば、その区画を使用することになります。 - 申し込みには、都内に5年以上継続しての居住履歴や、生前予約はできないこと(一部例外あり)、申込は遺骨の家族もしくは親族のみなどの制限がある。
※くわしい要件は霊園や施設によって異なります。
青山霊園の特徴
都心の一等地、26.3haという広大な霊園には、政治家や軍人では、大久保利通、犬養毅、吉田茂、乃木希典など。
尾崎紅葉、国木田独歩、斉藤茂吉、志賀直哉などの文人、北里柴三郎などの科学者など、数え切れないほどの有名人が眠っています。
また、忠犬ハチ公とハチの飼い主だった上野英三郎博士の墓もあり、多くの参拝者を集めています。
有名人の墓の場所は公開されているので、歴史散歩を楽しむことも可能です。
(もちろん霊園めぐりのマナーを守って静かに散策を)。
さらに、外国人墓地の区画もあります。
このエリアは外国映画で見るような、歴史を感じさせる外国人のお墓が建っています。
墓地内の桜並木は花見の名所としてとても有名で、夜桜見物の場所としても注目されています。
使用料および管理料(令和5年度)
面積(1.60~3.80 ㎡)
使用料 462万8,800 円 ~ 1099万3,400 円
管理料 1,460~2,920 円
募集について
現在8箇所ある都立霊園は、毎年6月中旬から7月上旬に申し込みの応募が行われ、8月に抽選が実施されます。
東京都より発表される告知内容を要チェックです。
2023年は募集数60に対して748の応募があり、倍率は12.5倍。東京都立霊園の平均公募倍率が6.0倍なので、安定の人気です。
(岩田)
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