お彼岸期間は、「春分の日」と「秋分の日」を中日として、その前後3日間、合計7日間になります。
ちなみに、春分の日と秋分の日は国民の祝日で、だいたい3月21日ごろ、9月23日ごろですが、日付は固定されていません。
正式には最新の「官報」により定められます。

具体的な日程(例:2019年)

お彼岸
春のお彼岸
3月18日:彼岸入り(彼岸の入り)
3月21日:彼岸の中日(=春分の日)
3月24日:彼岸明け(彼岸の明け)
秋のお彼岸
9月20日:彼岸入り(彼岸の入り)
9月23日:彼岸の中日(=秋分の日)
9月26日:彼岸明け(彼岸の明け)

お彼岸とは?

「暑さ、寒さも彼岸まで」言う言葉がある通り、暑さや寒さが和らぐ時期でもあるのでお墓参りに適していますね。
中国にも立春・春分・立夏・夏至などの季節の変わり目を特別な日として過ごす風習はあるようですが、法要を営むような過ごし方は日本独自のものと見られています。
歴史としては、806年(大同元年)、日本で初めて彼岸会が行われたとの説があります。
平安時代になると、お彼岸の法要は朝廷の年中行事となり、源氏物語にも彼岸のことが記されています。

そもそも「彼岸」とは、仏教用語で向こう側の世界のことを意味します。
反対に、こちらの世界のことを「此岸(しがん)」と言います。

お彼岸は迷いや煩悩に満ち溢れたこちらの世界「此岸」から、悟りの世界である「彼岸」へ渡るため、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という仏教の教えの実践を行う修業の期間とされています。

お彼岸の季節は、一年の中でも過ごしやすい時期ということもあり、巡礼が盛んになるのもお彼岸前後で仏教行事が集中し、お墓参りも広く行われるようになりました。
日本のお彼岸は、民俗行事と仏教行事が融合し、お墓参りを通じてご先祖様のいらっしゃる彼岸に意識を向け、仏教の修行に励もう、という日本独自の行事に変化していったようです。

「おはぎ」と「ぼたもち」

「おはぎ」と「ぼたもち」
お彼岸のお供え物のひとつに「おはぎ」があります。
慶事・弔事問わず、江戸時代になると特別な行事には餅や小豆を用いた菓子等が配られたり、お供え物として使用する習慣が各地でみられるようになりました。

「おはぎ」「ぼたもち」も基本的には同じもの。

呼び方の違いには諸説あります。

季節に咲く花にちなんで
「おはぎ」は「お萩」と書いて萩の花、「ぼたもち」は「牡丹餅」と書いて牡丹の花、tお季節に咲く花にちなんで名づけられたと言われています。特に萩は、万葉集で一番読まれた植物で、豊穣のシンボルでもありました。秋は「おはぎ」、春は「ぼたもち」と使いわけるほうが季節感が感じられるのですが、年中「おはぎ」もしくは「ぼたもち」で通す店が多いようです。
大きさの違い
「おはぎ」は秋の七草の萩の赤紫の花のように小ぶりで長めに、「ぼたもち」は牡丹の花のように丸く大きめに作る場合もあります。
「こしあん」「つぶあん」の違い
小豆の収穫時期に関連して、「おはぎ」は「つぶあん」、「ぼたもち」は「こしあん」とする場合もあります。秋のお彼岸は小豆の収穫期に重なり、収穫したての柔らかい小豆をあんにすることができることから、皮まで一緒に焚き栄養と旨味を「つぶあん」として一緒に味わうのがツウだとか。春のお彼岸は冬を越した小豆を使いますので、少し硬くなった皮を使うと雑味が入ってしまうため、皮を取り除いた「こしあん」が好まれるそうです。
お米の状態で「半殺し」「皆殺し」
中のお米は、もち米とうるち米を蒸して丸めたものになりますが、このお米をご飯の粒た残る程度につぶした状態を「半殺し」、粒が残らない状態を「皆殺し」といい、前者を「おはぎ」後者を「ぼたもち」を指すという説も。

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