目次
お葬式のとき事前に準備していてよかったこと、ひと工夫して良かったことなどをご紹介します。
式場の一角に思い出コーナーを作ったこと
故人の写真や愛用品など式場の一角に「思い出コーナー」「メモリアルコーナー」と題した展示スペースを設ける葬儀が増えています。「故人の遺品を整理しているうちに、遺族が知らなかった故人の姿を再発見できた」なんてことも。思い出コーナーの前で足を止め、参列者同士が故人について語り合う姿もよく目にします。
色とりどりの花を使った生花祭壇にしたこと
生花祭壇とは、白木の祭壇ではなく、故人が好きだった花、故人を彷彿させる花で作られた祭壇のこと。有名人の葬儀シーンでは生花祭壇を目にする機会が多くなったせいか、都市部では生花祭壇が主流となっています。仏式葬儀でも必要な仏具さえ揃っていれば、生花祭壇を飾ることができます。故人の趣味がゴルフならグリーンをイメージ、登山なら山をイメージした祭壇というリクエストも可能。春先になると、桜の木を取り入れた祭壇なんていうリクエストも可能です。
故人が好きだった音楽を流したこと
基本的に、葬儀開式前後ならどんな音楽を流してもOK。クラシックはもとより演歌や歌謡曲、洋楽もOKですし、音楽仲間による生演奏だってありです。最近は「音楽葬」という言葉もありますが、普通の仏式葬儀でも随所に音楽を取り入れた葬儀を行うことは十分可能です。中でも出棺時の音楽はインパクト大。某映画監督の葬儀では代表的な作品のイントロが出棺時に使用されていました。使用してはいけない音楽はありませんが、遺族の心境の状態によっては耳に残りにくい、耳馴染みのないクラシックが良い場合もあります。
事前に遺影写真を用意しておいたこと
葬儀の際に引き伸ばしてもらった写真は「とりあえず」のつもりだったのに、結局はずっと仏壇の前にある、なんてことありませんか?もともと顔が小指の爪ほどの大きさしかない写真だと、四つ切サイズに引き伸ばすと思いっきりピンボケ。事前に準備していればよかったという後悔の声も少なくありません。最近では、事前に遺影写真の撮影を行っている写真館やカメラマンが増えています。「遺影撮影会」と題した終活イベントを行っている葬儀社も増えているので、記念写真感覚で撮っておくのも良いでしょう。
家族で死化粧をしてあげたこと
最近は専門の業者が故人へのお化粧を行うケースも多くなりましたが、本来は遺族が自分達の手で行うもの。できれば生前の姿をよく知っている遺族の手で行ったほうがより自然な表情になります。死化粧はご遺体に直接触れる作業であるため、抵抗のある人もいるでしょうが、実は故人と向き合うことで、死をしっかりと受け止めることができるという癒し効果もあると言われています。死化粧を自分達で行う場合の注意としては、オイルを混ぜて行うと良いでしょう。通常のファンデーションや口紅ではノリが悪いので、化粧オイルを少々混ぜ伸びを良くするとフィットしやすくなります。
故人と同じ部屋で過ごしたこと
コロナ禍では、病院や介護施設で入院・入所している間はリアル面会ができず、看取りの段階になってやっと数回(しかも短時間)対面でも面会ができて亡くなったというケースがほとんどでした。亡くなってすぐに霊安室に運ばれて、そのまま一定時間経過後に火葬という流れでは寂しさが残ります。せめて亡くなってから火葬までの間だけでも、同じ時間と空間を共有することで、心が軽くなることもあります。
最近は葬儀の簡素化、縮小化の流れもあり、ご遺体を安置することに特化した葬儀会館(通称:「遺体ホテル」とも言われます)もあります。こういった施設はたいてい24時間面会可、施設によっては仮眠や軽食を取ることができるところもあります。コロナ禍で「安置」の重要性が再確認されたような気がします。
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