通夜、葬儀・告別式に参列する際は、喪服または喪服に準じた服装をすると思いますが、真夏の暑さ対策、真冬の寒さ対策等、どのようにしたら良いか聞かれることがあります。
今回は真冬の対策についてお話しいます。

冬のお葬式の服装:重ね着で調節を

喪服
シーズンに関係なく着ることができる喪服は、春・秋の季節を中心に考えてデザインされていますので、真冬は中に着込まないとかなり寒い思いをします。
そうはいっても、近年は葬儀スタイルが冷暖房完備の会館で行う葬儀が増えているため、かつて自宅や木造寺院の本堂で葬儀が多く行われていた時に比べると、だいぶ対策はしやすくなったような気はします。

真冬は室内と屋外の温度差が激しい季節ですから、下着やセーターなどで調節しやすい服装を心掛けましょう。
使い捨てカイロを上手に利用するのもひとつの方法です。

「黒いコートを持っていない場合、ひとつ買っておいた方が良いのでしょうか」という質問もよくあります。
イザというときに、黒いコートがあると便利ではありますが、グレーや地味な色なら許容範囲内です。

雨や雪の日は、足元にも気を配りましょう。
濡れたまま会場に入ると、床が滑りやすくなり大変危険です。特に通夜、葬儀・告別式は高齢者が多くなりますので、式場に到着したら、タオルで拭いたり靴を履き替えるなどの配慮も必要です。

黒ストッキングの厚さはどこまでOK?

喪服のストッキング
女性の場合、喪服には黒ストッキングを合わせますが、寒さが厳しい場合は、どれくらいの厚さが適当なのか悩むところです。
マナー本などには「ストッキングはOK、タイツは×」と書かれていることが多いのですが、そもそもストッキングとタイツの違いはどこにあるのでしょうか。

ストッキングは「デニール」で太さの違いが記されています。
一般的には30デニール程度までをストッキング、それ以上をタイツとするメーカーが多いようですが、メーカーによって違い、厳密に決められているわけではないようです。

弔事の場合は、30~80デニール程度が無難ですが、気候に応じて前後する分には問題ないでしょう。
寒さの厳しい季節や地域なら、100デニール以上であっても失礼にはならないと思います。

ちなみにストッキングが日本で製造販売が開始されたのが1952年、日本ではじめてパンティストッキングが登場したのが1968年ATSUGI HPより)だそうですから、マナーとして確立された歴史はそう古くありません。
ストッキングの厚さを気にするよりも、「ストッキングの伝線やほつれに注意する」「「厚手の場合は毛玉に注意する」等、弔意を表す身だしなみを心掛けたいものです。

参考:ATSUGI 
https://www.atsugi.co.jp/learn_enjoy/atsugi_history/atsugi_brand_story/index.html