今後もコロナに翻弄される日々になりそうです。
とりわけ、オリンピックの開催がどのような形になるか気になるところです。
個人レベルでも様々な行事などの予定を変更したり取りやめたりと、生活にも大きな制限と影響があります。
みなさんは験を担ぐほうですか?
そんな環境下ですが、うまく折り合いつけながら、力強く前に進みたいものです。
コロナ禍で行動は抑制しながらも、マインドは冷え込まないようにしたいものです。
ところで、カレンダーを見ると「立春」「春分」「立夏」「夏至」などの二十四節気(にじゅうしせっき)や、さらに細かく七十二候(しちじゅうにこう)といった季節の暦が書かれていたり、「大安」や「仏滅」といった六曜が書かれていることがありますが、こういった暦を参考にする人もいるかと思います。
みなさんは、何かを決めたり、行動を起こすときには験を担ぐほうでしょうか。
暦の上での大安や寅の日など吉日と呼ばれる日に合わせて行動したり、勝負の日には赤いパンツをつけるとか、欠かさないルーティンなども験担ぎの一種と言えるかもしれません。
最高の吉日、天赦日とは?
大安や寅の日とは別の、暦の上での最上級の吉日といわれる日があります。
それが「天赦日」で、読み方は「てんしゃにち」または「てんしゃび」です。
ウィキペディアには
『てんしゃにち、てんしゃび。暦には「天しや」と書かれ、選日にも書かれるこの日は、百神が天に昇り、天が万物の罪を赦(ゆる)す日とされ、最上の大吉日である。そのため、天赦日にのみ「万(よろづ)よし」とも注記される。』と書かれていて、季節の日と干支で決められます。2021年の天赦日は以下の日程です。
1月16日(土)
3月31日(水)
6月15日(火)
8月28日(土)
10月27日(水)
11月12日(金) *大安が重なります
入籍・結納・結婚・開店・開業・仕事初め・財布の新調・発明や研究の発表など、何をやっても良いよいという文字通りの、最高の吉日と言われていますが、特にお金に関して吉日と言われています。
吉兆を占う六曜とは
六曜とは、おなじみの、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口のことで、カレンダーなどでもよく目にします。
もともと中国で誕生したとされていて、中国から日本に伝来したのは14世紀の鎌倉時代とのこと。。
その後、江戸時代に入って六曜の暦注が流行し、その名称や解釈・順序は少しずつ変容しています。
小泉光保の『頭書長暦』では大安、立連、則吉、赤口、小吉、虚妄となっていて、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の術語が確定するのは江戸後期のことらしいです。
中でも「仏滅」は、滅びるという字が使用されてることから、マイナスイメージのある日として、お祝い事が避けられる傾向があるのは承知のとおり。しかし「物滅」として「一旦滅び、新たに物事が始まる日」とされ、「大安」よりも良い日という解釈もあるそうです。
字面から仏陀の入滅と関係あるように誤解されがちですが、仏教とは無関係です。仏教では基本的には占いに左右されるべきではないという考えがあり、六曜と仏事は直接結びつくものではありません。
また、友引については葬儀を避ける俗信もあります。死者が友をあの世に引く(=死ぬ)と忌み嫌われる暦ですが、友引はもともと「共引」と書かれ、勝負事の引き分けなど万事に決着がつかない日という意味。故人が親しかった友人や家族を一緒にあの世に連れていってしまうというのは迷信ではありますが、それでも不吉なことはできるだけ避けたいという思いを込めて、地域によっては「友引人形」という藁人形を棺の中に一緒に納める風習もあります。
友引の日は火葬場が休業となっていることが多くありますが、最近では、火葬場での友引休業を廃止するところも出てきています。
天赦日と六曜の関係は?
そんな六曜ですが、大安は「大いに安し」と言われ、あらゆることに良いとされる日です。また一日中が吉日(吉時間)ということで、万事に良しとされています。そのため新しいことをはじめるスタートの日として選ぶ人は多いのではないでしょうか。六曜での吉日「大安」は、月に5回ほど回ってきます。
それに比べ天赦日は、1年に数回しかない貴重な吉日ということで、最高に縁起が良いとされるほどの大吉日ですので、天赦日を重要視する人が多いのもうなずけます。
また、仏滅・友引が天赦日と重なった場合は縁起が悪いのでしょうか。
「仏滅は縁起が悪い」とお考えの方でも、その縁起の悪さを打ち消すほどの威力が天赦日にはあるとされていますので、あまり気にする必要なさそうです。
(ちなみに、2022年6月10日(金)は仏滅・8月23日(火)友引が重なります)
暦注を参考に物事を進めたいとお考えの方は、新しいスタートに天赦日を選んでみても良いかもしれません。
次の天赦日は2021年の6月15日(水)
今年は1月16日と3月31日終わっていますが、天赦日はあと4日あります。
私はこの3月31日に満を持して財布を新調しました。
(ご利益があるかどうかはこれからですが、不思議と前向きな気持ちになれた気がしています)
みなさんもこの天赦日にあやかって、コロナに負けないで何かを始めてみませんか?(岩田)
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